登録番号/No.1000-1
タイトル/靴下とサンダル
作詞/LEICA
作曲/LEICA
作詞完成日/2026年3/7
靴下とサンダル
ホテルのロビーで「絶対に渡すな」と何度も言われ
うなずくたびに少し賢くなった気がしてた
財布より先に 心を閉じたことにも気づかず
靴下の奥へ忍ばせた 折りたたんだ数枚の紙幣
売店へ走る 汚れたサンダル「やっぱりな」と
胸の奥で小さくつぶやいた
アイスの箱を指差し 何度も僕を見る
聞き取れない言葉 でも目は逃げなかった
その瞬間 鈍器みたいな衝撃で
僕の正しさが砕けた 溶けかけたアイスより先に
崩れたのは 疑いでもお金でもなく 思い上がった僕だった
涙で滲んだ水中みたいな景色
子どもたちの顔が遠くで揺れていた
守っていたのは 財布じゃなくて
まだ何者でもなかった 僕の小さな正義だった
帰りの飛行機 腹痛と吐き気の中
奥歯に詰まったみたいな 言葉にならない違和感
ロープが交差する 一点を見た夜 元気、勇気
その先を やっと掴んだ気がした
名も名乗らずに「わかったよ」と電話した
元気、勇気、気付きだね 受話器の向こうの歓声
でもそれはまだ 答えなんかじゃなくて 壊れた場所に
灯った小さな灯りだった
靴下の奥の 折り目の感触も 汚れたサンダルの音も今も消えない
あの日砕けた青さの残る僕がときどき胸で問いかける
お前は今 ちゃんと見えているか、と 気付きは 終わりじゃない
交差点に立ち続ける 覚悟の名前だった

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